- 規程整備
- <HOME
企業経営にまつわる規程とは
会社が定めておくべき内部規程・規則としては、定款をはじめ、取締役会規程、就業規則、個人情報保護規程、文書管理規程などが挙げられます。これらの規程は、法令遵守体制を確立するためだけでなく、会社の運営を円滑にし、従業員の権利と義務を明らかにするために重要です。そのため、会社の規模や業種、組織の特性に応じた規程を作成し、必要に応じて見直しや更新を行う必要があります。また、新しい法令の施行や社会や会社の状況などの変化に合わせて、新たな規程を追加する必要もあります。
これらの規程のうち、労務の面で特に重要となる規程は就業規則です。
整備をすべき規程の種類①
就業規則
就業規則は、従業員の労働条件や職場のルールなどを定めた基本的な規程です。次項以降に記載する育児介護休業等に関する規程やハラスメント防止規程等も、(「就業規則」というタイトルでないものでも)広い意味では就業規則に含まれます。就業規則は労働契約の一部として機能し、労働者の権利と義務を明確にし、労使間のトラブルを防止するために重要な役割を果たします。また、就業規則は、法令や労働協約に反する内容を含むことはできず、労働者の権利を不当に制限するものであってはならないとされています。会社は、就業規則を適切に制定し、必要に応じて改定することで、法令の遵守と労働環境の改善に努める必要があります。
整備をすべき規程の種類②
育児介護休業等に関する規程
育児介護休業等に関する規程は、従業員が仕事と家庭の両立を支援し、ワークライフバランスを促進するために制定されている「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児介護休業等に関する法律」といいます。)に基づくものです。育児介護休業等に関する法律には、具体例な制度として、育児休業、出生時育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、育児・介護短時間勤務などが定められています。育児介護休業等に関する規程が作成されていない場合であっても同法が適用されますが、会社のニーズに応じた手続や条件、休業中の待遇などを予め規程に定めて明確化しておくことで、円滑な職場運営を図ることができます。
整備すべき規程の種類③
ハラスメント防止規程
令和元年6月5日に女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正されました。これらの法改正により、現在、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが会社の義務となっています。会社の雇用管理上講ずべき措置の具体的な内容は、会社ごとに異なりますので、会社のニーズに応じたハラスメント防止体制の整備を行い、規程に反映することで、会社と従業員の双方でハラスメントに対するルールが共有され、良好な職場運営を図ることができます。
規程整備を行う重要性と弁護士にご相談いただくメリット
point
労使間のトラブル防止
賃金や退職に関する事項など、労働者にとって重要な関心事を予め就業規則等に明確に定めることで、労使間のトラブルを防ぐことができます。
point
多様な労働形態の導入
テレワークやフレックスタイム制など、多様な働き方の仕組みを取り入れる際に、会社の実態に即した必要な規定を設けることができます。
point
コンプライアンスの遵守
最新の法改正への対応をはじめ、法令上必要な規程に漏れが生じないよう、規程の制定、改定(改訂)及び運用を行うことができます。
当事務所における規程整備の対応実績
以下、当事務所における具体的な対応例を紹介します。
事例① 問題点を解消するための就業規則の整備
概要
クライアントは、複数の店舗を運営する会社で、M&Aのための労務面のチェックをきっかけに、変形労働時間制の運用の誤りや残業代の未払いなどの問題点が明らかになり、会社と従業員との間で対立が生じていました。クライアントからは、これらの問題点を解消するため、就業規則を修正したいとのご相談がありました。
当事務所でアドバイスした内容
まずは、現在の各店舗の業務の状況について、クライアントである会社の代表者、従業員双方に対してヒアリングをし、どのような労働時間制の適用を行うべきか検討しました。クライアントと協議を重ね、会社の実態に即した就業規則の修正を行いました。また、就業規則の修正後も、就業規則の内容について、労使間の対立を解消するため、当事務所から従業員への説明を行うなど、サポートしました。
事例② キャリアアップ助成金の申請を視野に入れた就業規則の整備
概要
クライアントから、新たに短時間勤務の従業員を雇用することに伴い、就業規則等に規定する労働時間等の労働条件を改めたいとの依頼がありました。
当事務所でアドバイスした内容
新規雇用の従業員の場合、助成金を活用することも可能であることから、単なる就業規則の改定にとどまらず、雇用を予定されている従業員の働き方、業務内容等についてヒアリングを行い、キャリアアップ助成金の申請のご提案を行いました。その後、クライアントから助成金申請の意向を受け、助成金申請を視野に入れた就業規則の改定を行い、助成金の交付を受けることができました。
当事務所では、クライアントから依頼のあった事項にとどまらず、よりクライアントの利益になるように追加で対応できることはないか検討し、ご提案するよう努めています。
当事務所におけるサービス内容
①各種規程のチェック
リーガルチェックや法改正への対応はもちろんですが、規程の内容と会社の運用実態が一致しているかという点の確認を行っております。また、M&Aや上場などを見据えた各種規程のチェックも対応しております。
②各種規程の作成・見直し
各種規程の作成から運用までしっかりサポートいたします。会社の事業内容を踏まえ、役員、従業員へのヒアリングなどを実施し、社内の実態を把握し、会社にベストな規程の作成・見直しのサポートを行っております。また、規程を作成後の社内向けの説明方法のアドバイスや説明会の実施など、会社と従業員のルールの共有化のサポートも行っております。
③顧問契約による定期チェック
顧問先に対しては、最低賃金の改定をはじめとする法令の改正情報の提供、それによって必要となる規程の改定その他の対応、労働条件の変更等を契機とする規程全体のチェックなどを行い、各種規程の見直すべき内容について、必要に応じてご案内をしております。