業種 | 建設業 |
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企業規模 | 従業員10名以下 |
カテゴリ | ガバナンス |
担当弁護士 | 中山 恵 |
ご契約方法 | フレックス顧問契約 |
ご相談時のご状況
顧問先様より、半年ほど前に取締役として就任したばかりの方を解任したいというご相談がありました。こちらの顧問先様は、創業以来、親族経営でしたが、半年ほど前に、業務委託先として懇意にされている方を自社の取締役に選任したいというご相談があり、外部の方を初めて経営に関与させることに関してのご相談がありました。
その際、当事務所からは、業務委託契約を結んでいる取引先とはいえ、外部の人を取締役に選任することとなるため、経営方針の対立が生じる可能性や、任期途中で中途解任する場合の紛争リスクについて十分に説明し、万が一に備え、取締役の任期は最短にしておいた方が良い旨アドバイスをしました。その上で、社長のご意向により、リスクを最小限にするため、定款の取締役任期を 10 年から 1 年に変更して取締役として就任していただいた経緯があります。
しかし、就任後わずか半年足らずで、取締役本人の業績が振るわず、会社からの業務改善の指示にも改善が見られませんでした。社長が直接本人と話をしようと試みても、感情的になり話がまとまらず、冷静な議論ができない状況でした。顧問先様としては、取締役を解任し、業務委託契約については今後業務を委託せず、契約期間終了をもって自然に終了させる方針でした。
解決・改善に向けた当事務所のアドバイス・対応
取締役の解任は、株主総会の決議によりいつでも可能ですが、正当な事由がない場合、残りの任期に対する月額報酬相当の損害賠償を請求される可能性があることをご説明しました。
解任の手続きを取ると、法人登記簿にも「解任」と登記され、外部から見た際に経営戦略の対立や不祥事による解任と誤解される可能性があります。これが会社のイメージダウンに繋がる恐れもあるため、解任ではなく、本人に自発的に辞任してもらう形にすることが会社として最善策であるとアドバイスしました。
社長には、本人に対して取締役の「解任」ではなく、会社の経営方針が本人とは異なるという旨を伝えた上で辞任届を提出してもらう方向で話を進めるように助言しました。万が一、冷静に話ができない場合でも、解任権は会社のオーナーである社長にあるため、社長から直接解任を告げることも問題ないと伝えました。
当事務所のアドバイスのもと、社長は取締役本人と面談を行い、面談から数日後には、本人から辞任届が提出され、スムーズに手続きが進みました。その後、当事務所の司法書士法人において取締役の辞任登記手続きを行い、解任手続きと一緒に登記も一括で完了させ、本件について終結させました。
適正な事業運営にあたってのポイント
取締役を選任する際には、選任する本人の業績や業務改善の能力、会社との経営方針の一致を十分に確認した上で慎重に手続きを進めることが重要です。事前のリスク管理が不十分だと、解任問題に発展した際に会社のイメージに影響を与える可能性があります。
当事務所では、取締役の選任や解任に関する適切なアドバイスを行い、企業の法的リスクを最小限に抑えるためのサポートを提供しています。また、当事務所は司法書士法人もございますので、就任承諾書や辞任届等の書類の作成から登記手続きまで、ワンストップでサポートが可能です。
企業の経営に関する問題でお困りの際には、ぜひ当事務所にご相談ください。法的リスクを回避し、事業運営を円滑に進めるための最適な解決策をご提案させていただきます。