弁護士コラム

2019.02.04

養育費の一括払い

養育費を相手方が毎月支払ってくれるか不安なため、一括で請求したいという方もおられるかもしれません。養育費の支払方法は、原則として毎月払いとなっています。これは、養育費は子どもの生活費であり、その都度必要とされるものであるからです。そのため、家庭裁判所の調停では、養育費の一括払いの合意が成立しない訳ではないですが、審判では、養育費の一括前払いという結論になることはありません。

一方、夫婦間の協議で養育費について決定する場合は、養育費を一括前払いとすることも可能です。しかしその場合、養育費を受け取る側としては、前払いの金額を早々に費消し、将来子供の養育に支障を来すおそれがあるため、養育費を計画的に使うように細心の注意を払う必要があります。また、通常は毎月もらうはずの養育費を、将来分も含めて一括でもらう以上、国税局は贈与であると認定しますので、贈与税の課税対象となります。養育費を支払う側としても、一括で大金を支払うという負担があり、受け取った側が将来再婚し、養育費の減額をしてもらいたくても、既に支払った養育費の返還を求めることはできません。

以上のように、養育費の一括前払いは支払う側にもリスクがあると共に、受け取る側にも負担があります。原則通り、子供の成長や状況に応じて毎月支払い続けることをお勧めします。


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