弁護士コラム

2016.06.22

■不成立の場合のその後の手続(2)

離婚調停が不成立で終了した場合、乙類審判事件に関しては当然に審判手続に移行します。

乙類審判事件には、親権者の変更、養育費の請求、婚姻費用の分担、遺産分割などがあります。これらの乙類審判事件は当事者間に争いのある事件であることから、第一次的には当事者間の話合いによる自主的な解決が期待されます。

そこで、乙類審判事件は通常、最初に調停として申し立てられ,話合いがつかずに調停が成立しなかった場合には、審判手続に移り、審判によって結論が示されることになります。

この点については、家事審判法に規定があり、乙類審判事件について調停が成立しない場合には、調停申立てのときに審判の申立てがあったものとみなすとしています。

つまり、養育費の請求等の調停が不成立で終了した場合は、何らの行為や手続を要することなく、審判手続に移行するということです。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.22

■不成立の場合のその後の手続(1)

調停機関が調停不成立の措置をとったときは、それによって調停手続は終了します。この場合、裁判所書記官が、調書にその旨を記載したうえ、当事者に通知します。

 当事者が調停期日に出頭しているときに不成立となった場合には、その場で口頭により通知されますが、不出頭の当事者がいる場合には、直ちに適当な方法で通知されることになります。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.22

■Ⅲ当然終了

当事者のいずれかが死亡して夫婦関係が解消してしまったときなどには、離婚調停は自動的に終了します。

この場合には,裁判所に報告をしましょう。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.22

■Ⅱ調停をしない(調停をなさず)

離婚調停を行うのが適当でない場合や、不当な目的の離婚調停申立の場合には、調停委員会(裁判官と調停委員)が、調停を行わない(続けない)こととして、調停を終了させることができます。

具体的には、離婚調停が不成立となった後、すぐに再度の離婚調停の申立てがなされたとき(調停手続を濫用しているような場合)や、申立人が欠席を続けるときなどがこれに当たります。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.22

■Ⅰ調停不成立(不調)

離婚調停を含む家事調停の不成立による終了に関しては、以下の場合があります。

①当事者間に合意が成立する見込みがない場合、

②または成立した合意が相当でないと認める場合において、

③家庭裁判所が調停に代わる審判をしないとき

上記の場合は、調停が成立しないものとして、事件を終了させることになります。

このとき、裁判官・調停委員・書記官・当事者双方が同席し、調停不成立の確認を行います(当事者は別席を希望することも可能です)。

当事者双方が調停不成立を望んでも、不成立とするかどうかは裁判官と調停委員の判断次第です。逆に、当事者双方が調停を続けることを望んでいても、調停不成立とされることもあります。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.22

■調停成立以外の離婚調停手続の終了

調停で合意はできていないが、これ以上続けても、離婚そのもの、または離婚の条件について合意できる見込みがないと裁判所が判断した場合には、離婚調停は不成立(不調)により終了します。

また、離婚調停申立ての取下げ又は当事者の死亡などにより、裁判所が離婚調停を続ける必要がなくなった場合や、調停手続をすること自体が不適切と裁判所が判断する場合にも、調停は終了します。

調停成立以外の離婚調停手続の終了には、次のⅠ~Ⅲのパターンがあります。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.22

■離婚調停の成立

離婚調停は、

①当事者間で合意が成立し、

②調停機関が、当該合意の相当性を認めて、その合意を調書に記載する

と成立します。

 実際に離婚調停において合意が成立すると、裁判官と裁判所書記官が調停室に赴き、当事者双方(別席を希望することも可能です)と調停委員2名の全関係者がそろったところで、成立した合意内容(調停条項)を確認し、読み上げ、これを裁判所書記官が調書に記載することによって、調停は成立することになります。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.13

8.相続欠格と廃除(2)

 民法は、次の5つの相続欠格事由を定めています(民法891条)。

 ①故意に被相続人又は先順位若しくは同順位の相続人を殺し又は殺そうとしたために、刑に処せられた者

②被相続人の殺害されたことをしっていながら告訴・告発しなかった者

③詐欺・強迫によって被相続人の遺言の作成・取消し・変更を妨げた者

④詐欺・強迫により被相続人に相続に関する遺言を作成させ、又はその取消し・変更をさせた者

⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者

 

 欠格の効果は相対的であり、欠格者を欠格事由と関係ある特定の被相続人に対する関係で相続資格を失うに留まり、他の者の相続人になることはできます。なお、前回述べたとおり、相続欠格に該当する場合には、受遺者になることはできませんが、代襲相続は可能です。

 

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.13

7.相続欠格と廃除(1)

「相続欠格」とは、本来相続人となるべき者に一定の不正事由があった場合に、法律上当然に相続権が剥奪される制度です(民法891条)。

 これに対し、「相続人の廃除」とは、遺留分を有する推定相続人が相続人に対して虐待したり、重大な侮辱を加えたとき、又はその他著しい非行をしたときに、被相続人の意思感情を尊重し、被相続人の請求に基づいて、家庭裁判所が審判又は調停によって相続権を剥奪する制度です(民法892条、893条)。

 相続欠格と排除の主な相違点は以下のとおりです。

  なお、「遺留分」とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に留保された相続財産の割合のことをいいます。上記の相続人には、相続開始とともに相続財産の一定割合を取得しうる権利(「遺留分権」といいます。)が認められます。

相続欠格
①被相続人の意思とは無関係に一定の事由があれば、当然欠格となる。
②欠格の対象は、相続人となるべき者であれば、遺留分を有する相続人か否かを問わない。
③欠格者は受遺者になれない。
④戸籍の届出は不要。

廃除
①被相続人の請求により、廃除の調停の成立又はその審判の確定が必要。
②廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人に限る(遺留分を有しない兄弟姉妹は廃除の対象とならない)。
③被廃除者は受遺者になれる。
④戸籍法の定めるところにより、戸籍の届出が必要(排除の裁判の確定日から10日以内)。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.06.13

6.代襲相続(2)

被代襲者が被相続人の「子」の場合には、被相続人の子に代襲原因が発生すれば、被相続人の「孫」が代襲相続人となりますが、この孫についても代襲原因が発生すれば、「孫の子(被相続人の曾孫)」が代襲相続人になります(「再代襲相続」、民法887条3項)。

 これに対し、兄弟姉妹の場合は、その子(被相続人の甥・姪)までしか代襲相続が認められず、再代襲相続は認められません。

 兄弟姉妹について代襲相続を規定した民法889条2項は、再代襲相続を規定した民法887条3項を準用していないため、兄弟姉妹が被代襲者となる場合には、再代襲相続が認められないのです。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

1 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
  • Office Side
  • お問い合わせ 総合サイトへ
  • WEB予約はこちら 総合サイトへ
WEB予約 こちら 総合サイトへ