「被相続人の配偶者」は、常に相続人であることは、前に述べたとおりです。では、いわゆる内縁の妻は内縁の夫の相続人となることができるのでしょうか。
ここでいう「配偶者」とは、法律上の婚姻関係にある夫婦の一方(夫又は妻)といいます(民法739条)。
したがって、内縁の妻は「配偶者」には含まれないため、相続人になることはありません。
内縁の夫の遺産は、すべて内縁の夫の法定相続人に相続されることになるため、内縁の妻に遺産を取得させるためには、内縁の妻に「遺贈」(民法964条)又は、内縁の妻との間で「死因贈与契約」(民法554条)を締結する必要があります。