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残業代請求

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医療機関における残業代請求トラブルの現状

医療機関では、急患対応や手術後の処置、夜勤・休日勤務などにより時間外労働が発生しやすく、さらに看護師・事務スタッフ・コメディカルといった多職種が協働するため、給与計算や労働時間の管理が複雑になりがちです。もし実際の勤務実態と賃金計算が合致していない場合、スタッフから「未払い残業代の支払いを求めたい」という申し出が生じる可能性があります。
最近は、働き方改革への意識の高まりや情報共有の活発化によって、スタッフ自身が勤務時間を客観的に把握し、弁護士へ相談したり労働基準監督署に申告したりするケースも増えました。医療機関としては、こうした請求を放置すると多額の支払い義務が生じるほか、スタッフとの信頼関係を損なうリスクが高いです。早めに事実関係を確認し、適切な対応を行わなければ、長期的な労務トラブルに発展しかねません。

残業代請求を受けた際の適切な対応

職員やスタッフから「未払い残業代を支払ってほしい」と請求があった場合、まずは感情的にならずに事実確認を行うことが大切です。以下の順序とポイントを踏まえて対応を行いましょう。

就業規則・雇用契約の確認

スタッフと締結している雇用契約や、就業規則の内容がどのようになっているかを再確認します。特に時間外労働や夜間・休日勤務の割増賃金の規定が明確に定められているか、抜け漏れや曖昧な記載がないかを確認しましょう。

タイムカードやシフト表の精査

スタッフの実労働時間を正確に把握するため、タイムカード・シフト表・勤務記録などを改めて見直します。医療現場では急患対応などで予定外の残業が発生しやすいため、事実関係を可能な限り詳細に確認することが重要です。もし記録が不十分であれば、その点が争点になることもあります。

当事者とのコミュニケーション

一方的に「そんな残業は認めない」と突っぱねるのではなく、まずは本人からの主張を聞くことがトラブル拡大を防ぐカギです。お互いの認識の違いを整理し、解決策を模索できる場を設けることが望ましいでしょう。ここでも、客観的な資料をベースに話を進めることが重要です。

専門家への相談

請求の金額や対象期間が大きい場合、または事実確認が複雑でまとまらない場合は、弁護士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。労務問題は初動がその後の流れを大きく左右しますので、できるだけ早い段階で最善の対応を取ることが重要です。

予防労務の観点から見る、未払い残業代トラブルの防止策

勤務時間の一元管理とITツールの活用

シフト管理ソフトや勤怠管理システムを導入し、スタッフの正確な勤務時間を自動集計する仕組みを整えると、サービス残業や記録漏れなどを未然に防ぎやすくなります。夜勤・オンコールといった医療機関独特の働き方にも対応できるよう、運用ルールを明確化しておきましょう。

就業規則の定期的な見直し

医療法や労働関連法が改正されるたびに、就業規則や雇用契約書の更新が必要となるケースがあります。特に残業手当や夜勤割増賃金の計算などは、法改正が頻繁に行われる領域です。社労士や弁護士の助言をもとに、随時見直しを行うことが大切です。

スタッフへの周知・教育

職員が「自分の残業が正しく扱われているか」を把握できるよう、就業規則や賃金規定を周知しておくことは重要です。同時に、自己申告の仕組みや勤務表の提出ルールなど、職員側にも適切な勤怠報告を行う義務があることを伝えると、不必要なトラブルを防ぎやすくなります。

定期的な労務監査の実施

外部の専門家による労務監査を実施することで、隠れたリスクを早期発見できる場合があります。法令遵守の観点から不備がないか、残業時間の計算方法や割増賃金の支払い状況など、客観的な視点でチェックすることが長期的なトラブル回避につながります。

残業代請求対応に向けてNexill&Partnersができること

医療機関の残業代請求トラブルに対して、当事務所は複数の専門家(弁護士・社労士など)がチームを組んで対応いたします。以下の3つのポイントを軸に、総合的なサポートを提供しています。

① 労務・法務の両面からアプローチし、迅速なリスク対応を実施

医療機関特有の勤務実態を考慮しながら、労働基準法や医療関連法に精通した弁護士が事実関係の精査を含めて残業代請求の対応を行います。必要に応じて交渉・裁判手続きも迅速にサポートし、医療機関の業務への影響を最小限に抑えます。

② 交渉・訴訟対応だけでなく、再発防止策の提案もサポート

今発生している残業代請求を解決するだけでなく、原因となった労務管理上の問題点を洗い出し、就業規則や給与体系の改善を提案します。夜勤・深夜勤務における割増率や休憩時間の取り扱いなど、医療現場ならではの要素も踏まえ、トラブルの再発を防ぎやすい仕組みづくりをサポートします。

③ 顧問弁護士契約による継続的な労務トラブル予防と対応支援

万が一の残業代請求や労務トラブルが発生した際、すぐにご相談いただける顧問弁護士契約の形態もご用意しています。医療機関の内部事情やスタッフ構成を日頃から把握しているため、トラブルの際に迅速かつ的確なアドバイスを提供できます。また、定期的な監査や研修など、労務管理における予防的アプローチも含めた総合的なサポートを継続的に受けられる点が大きなメリットです。

万一トラブルが顕在化した場合も、早めに専門家へ相談し、法的に適切な手続きを踏むことでリスクを最小限に抑えられます。当事務所では、複数の士業による医療機関の複雑な勤務実態に対応したアドバイス・サポートを行っています。
顧問契約をご活用いただくことにより、問題解決と再発防止の両面で継続的な支援が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。