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資産登記申請

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医療法人を経営する医師が押さえておきたい主要登記

医療法人は株式会社と同様、法人登記簿で「誰が経営者か」「資産はいくらか」を社会に示す義務があります。理事長が怠りがちな代表的な登記は①役員変更登記(理事長交代・任期満了)、②本店移転登記(分院開設や建替えに伴う所在地変更)、③資本金〈基金〉変更登記(基金拠出や取戻し)、④合併・清算登記(M&Aや閉院時)、そしてこのあと取り上げる⑤資産の総額の変更登記です。これらは原則として「事由が生じた日または理事会決議日から2週間以内」に登記申請を行う必要があり、登記申請が遅れると過料が発生するリスクがあります。

医療法人の資産の総額の変更登記

変更登記が必要になるケース

医療法人の「資産の総額」とは、貸借対照表でいう固定資産・流動資産・基金などの合計額です。次のような取引を行った場合は、理事会での決議日から2週間以内に変更登記を申請しなければなりません。
1. 高額医療機器(MRI・CT・手術顕微鏡など)の現金購入
2. リース物件の所有権を買い取って自社資産化
3. 建物の増改築や内装リニューアルで資産計上額が上がった
4. 基金拠出・出資持分の払い込みによる資本金増加

登記すべき事項

医療法人が行う「資産の総額の変更登記」で登記簿に新たに記載(変更)されるのは、「資産の総額」と「変更年月日」です。資産の総額では変更後の資産総額、変更年月日ではその総額が確定した日(通常は理事会で承認した日)が記載されます。

法定期限と提出書類

資産総額変更登記では、理事会決議から 2週間以内に申請が必要です。①理事会議事録②資産評価書・財産目録を添付資料として提出する必要があります。また、法務局から追加で確認資料を求められる場合もあるので、その際は必要に応じて追加書類を準備の上で提出が必要です。

資産変更登記以外で都度実施すべき登記

役員変更登記

理事長が交代したとき(辞任・死亡・任期満了・理事会解任)や新理事・監事を追加するとき、任期が満了し再任・重任するとき等の場合に必要になります。
役員変更登記についても同様に理事会決議または就任承諾日から 2週間以内に申請が必要となります。
①理事会議事録、②就任承諾書、③理事・監事全員の印鑑証明書等の書類を提出する必要があります。

資本金〈基金〉変更登記

資本金変更登記は、資本金の変更内容によって必要な対応が異なります。

基金拠出(増資)の場合には、拠出額が預金口座に入金されたその日から2週間以内に資本金変更登記を申請する必要があります。

それに対して、基金取戻し(減資)として資金余力が出たときに基金を返還する場合は 資本金減少登記 が必要です。
基金を取り戻す際は必ず ①理事会決議 → ②官報公告・債権者個別通知 → ③1か月経過後に返還 → ④資本金減少登記の順に進めなければならず、官報公告を怠ると過料対象となりますので注意が必要です。

こちらも基金の払込完了日(または取戻し効力発生日)から2週間以内に申請を行う必要があります。①理事会議事録、②払込証明書(増資の場合)、③債権者保護手続関係書類(減資=取戻しの場合)等を添付書類として提出します。

Nexill&Partnersができること

当事務所では、司法書士法人を併設しておりますので、医療法人を運営する上で日常的に発生する登記手続きもワンストップで対応可能です。
登記懈怠が常態化してしまうと、過料のリスクがありますので、登記事項に変更が生じた場合は速やかに登記手続きを行うことが望ましいでしょう。
役員変更等含めて、手続が未了の登記がある場合は、できるだけ早めにご相談ください。