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クレーム対応研修

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医療機関におけるクレーム対応研修の重要性

近年の医療現場では、待ち時間の長さや診療方針への不満だけでなく、SNS・口コミサイトを通じた悪評拡散や録音・動画投稿といった“デジタル化したクレーム”が急速に増えています。クレームが法的トラブルへ発展する主な原因としては、謝罪のしかたが不適切だった、患者に対しての十分な説明や同意の取得が不足していた、個人情報やカルテ内容を不用意に漏えいしてしまったというような点が多いです。また、実際には医院側には大きな落ち度はないものの、度を越えたクレームを繰り返すような患者に悩まされているようなケースもあります。
現場スタッフが法的リスクを理解しないまま感情だけで初動対応をしてしまうと、後に大きなトラブルにつながってしまう場合や、クレーム対応で診療に影響が出てしまうような場合も珍しくありません。
発生したクレームに対して、リスクを最小限にとどめるためにどのような対応をすべきかを職員にも理解してもらうことは重要といえます。

弁護士がクレーム対応研修を行うことのメリット

弁護士事務所がクレーム対応研修を実施する一番の利点は、法的観点を含めての対応方法をお伝えできることです。
実際の研修では、以下のような点を中心にクレームが発生した際の対応方法をお伝えします。

法的リスクの把握

弁護士であれば、医療機関で起こり得るクレームに対して、法的にはどこが問題になってくるかを把握をしています。患者からの要求についてクレームに分類されるかどうかの要件の確認から、クレームへの対応時に今後の対策として注意すべき点についてもお伝えすることができます。

機微情報の取扱い

カルテ・検査結果などの開示可否ラインはどこになるのか、診療の録音や録画はどこまで認められるかなど、院内で取り扱う機微情報についての法的な取り扱いをお伝えします。高圧的なクレームを受けてしまうと精神的な負担から法的には共有の必要のない情報についても共有してしまうリスクもあります。事前に研修を実施することで、対応方針を確認することができます。

クレーム対応時のフレーズ

「過度な約束を避けるための伝え方」「説明義務を満たすが医院の責任認定とならない言い回し」など、クレームの全体像が明確に分かっていない段階での初動対応で意識しておきたい伝え方をフィードバックいたします。初動対応を誤ってしまうと不当なクレームであっても向こうにとっては好都合となる要素になり得る可能性もあるので、注意が必要です。

クレームがカスタマーハラスメントに発展した場合

クレーム行為がエスカレートして診療に影響が出ている場合、名誉棄損や風評被害が発生している場合など、法的措置を検討する段階とその対応方法について共有をさせていただきます。万が一の場合であっても対応方針を職員の方も含めて把握いただくことで、適切な対応を行うことができます。

研修の内容については、クリニックごとにご相談可能ですので、追加で研修に組み込んでほしい等のご要望があればご対応いたします。

医院側でもできるクレーム予防・対策

①仕組みで防ぐ

最も重要なことは「予防」です。クレームを発生させないための院内体制を構築しておくことが最も工数を削減できます。具体的には、 「診療体制・料金表を受付・院内サイトに掲示し、双方での共通認識をつくる」「 待ち時間モニター(サイネージ/LINE通知)で体感ストレスを軽減する」等で待ち時間に関するクレームを事前に回避したり、「治療前の同意書記入や説明内容への署名などで言った言わないを避ける」ことで診療内容に関するクレームの予防に繋げることができます。

②適切な初動対応

実際に患者からの要求が発生した際には、初動対応によってその後の対応が大きく変わっていきます。要求があった患者様に対しては傾聴の姿勢をとったうえで、謝意を意識した対応を心掛けることがポイントです。この初動対応で、不当なクレームには発展せずに落ち着くケースもあります。ただし、相手が 感情的・暴力的な態度を示した場合には即座に上長へバトンタッチできるように院内でのマニュアルは策定をしておきましょう。
また、大きな問題に発展する前であっても今後の予防策を検討するためにも、「クレーム日時」「内容」「対応者」等の情報は必ず記録をしておくことをおすすめします。

③法的措置の検討・専門家への相談ルートの確立

院内での対応が困難に感じる場合には、専門家への相談を行って法的措置を検討しましょう。法的措置を行ううえで、重要なポイントは下記となります。予防策を検討する際にも下記の点は意識していただくと優位にはたらく可能性があります。

初動で容易に責任を認めない

②でお伝えをした初動対応では、傾聴の姿勢は示しながらも不当な要求に対しての謝罪は行わないことが重要です。あくまでも謝罪は「不快にさせた事実」に限定し、過失の有無を断定しないようにしましょう。一度責任を認めてしまっていると法的措置を行う際にも、責任を認めた点について主張されてしまうリスクがあります。

証拠の収集

法的措置を行う際には、クレームと認識できるような証拠が必要になります。具体的には記録や防犯カメラ映像などで保管できる情報は集めておくと良いでしょう。

警察や専門家への相談体制

暴力・恐喝などクレーム行為がエスカレートした場合は警察に通報しましょう。また、執拗な連絡、待ち伏せが続く場合も警察に通報するのをおすすめします。緊急性が高い可能性があるため、従業員を守るためにも対応策を共有しておくことも重要です。現場で即座の判断が難しい場合は、即時に弁護士へ状況説明をして、対応文言を指示してもらう等して、院内での解決を目指さずに外部と連携をすることも視野にいれておきましょう。

クレーム対策に向けてNexill&Partnersができること

当事務所では、医療機関の院長・職員の方に向けてクレーム対策に向けた各種サービスをご提供しております。近年ではカスハラ等への対策を重視する傾向も強くなっているため、院内での取り組みとしてクレーム対策への注力も検討いただくことをおすすめします。

職員向けクレーム対応研修の実施

基本的なクレーム対応に関する方針や、初動対応時に気を付けるべきポイント等、職員の方にも周知しておくべきクレーム対応に関する研修を実施いたします。座学での研修のみではなく、具体的なシミュレーションとしてロールプレイングを織り交ぜた研修の実施も可能です。各医療機関でお困りのことや目指していきたい方向性をお伺いしたうえで、具体的な研修プログラムのご提案をいたします。

院内のクレーム対応マニュアルの策定

現状院内でクレーム対応に関する方針が固まっていない場合には、他医院の対応事例等をもとにして貴院に合わせたクレーム対応マニュアルの策定を行います。弁護士が策定いたしますので、法的根拠に基づいたマニュアルへの落とし込みが可能です。

顧問契約による継続的なアドバイス

日常業務における対応方法や緊急時の対応については、顧問契約を締結いただくことで継続的なアドバイスを実施いたします。当事務所の「フレックス顧問契約」では、稼働時間に応じた料金体系を設定しているため、クレーム対応に関するご相談が発生しなかった場合には、別業務で消化をしたり、積み立てをしておくことで今後発生する可能性のあるスポット業務に充てていただくこともできます。

職員を守るためにも、院内でのクレーム対策と対策方法に関する職員への情報周知は重要な対応になります。「現在の対応マニュアルをチェックしてほしい」「マニュアル内容に合わせた研修を実施してほしい」等のご要望がございましたら、初回相談にて現状をヒアリングのうえで、ご提案をさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。