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クリニックを法人化するには?メリット・デメリットから設立の流れ・注意点まで弁護士が徹底解説

2025.10.17

「開業医として診療をスタートしたけれど、そろそろ法人化も検討した方が良いのではないか」「新しくクリニックを立ち上げるにあたって、最初から法人で始めた方が良いのか」―こうした悩みは、医療機関の経営を考える際に必ずといってよいほど出てくる重要なテーマです。
クリニックの法人化は、節税・事業承継・信用力の観点などから大きなメリットがある一方で、制度上の制約や実務的なハードル、経営判断の複雑さも伴います。
本記事では、医療法人制度の基本から、クリニックを法人化する場合の具体的なステップ、法人化を選択すべきタイミングや条件、逆に法人化しない場合の注意点までを、弁護士の視点から丁寧に解説します。

1. クリニックの「法人化」とは何か?

1-1. 医療機関の法人化は「医療法人化」のこと

医療機関の「法人化」とは、クリニックや病院などの医療施設を個人経営ではなく、「医療法人」という法人格のもとで運営する形態に移行することを指します。
日本では、医師が個人事業主として開業し、自身の名前で診療所を経営する「個人開業医」の形が多く見られますが、一定の規模や組織的な運営を目指す場合、法人化を検討するクリニックも増えています。
ただし、ここでいう「法人化」は、一般的な株式会社設立とは異なり、医療法に基づいて設立される医療法人という特殊な法人格の取得が必要です。これは、医療という公益性の高い事業であるがゆえ、法令によって設立・運営が厳格に規定されているからです。

1-2. 「個人開業」との違いとは

個人開業と医療法人の主な違いは、以下のように整理できます。

項目 個人開業 医療法人(法人化)
経営主体 開設者=医師本人 法人格をもつ法人
所有と経営 経営者の私有資産と混在 法人の資産として区分
診療報酬 医師個人の所得 法人の収入として処理
税務処理 所得税の適用 法人税の適用
承継方法 医師本人の死亡で終了 法人は存続可能、承継しやすい
節税策 限定的 役員報酬・退職金等の活用が可能
ガバナンス 開業医自身が単独で決定 理事会設置、複数名での意思決定

このように、法人化することで経営の枠組みが大きく変わり、個人と法人を分けて管理する体制になります。そのため、税務や法務、労務の考え方も根本的に異なってきます。

1-3. 医療法人の種類(社団医療法人/財団医療法人)

医療法人には大きく分けて「社団医療法人」と「財団医療法人」の2種類がありますが、実務上ほとんどのケースで用いられるのは「社団医療法人」です。

社団医療法人

複数の社員(通常は医師や家族)が出資して設立。理事長を中心に法人を運営します。現在の制度上は原則「持分なし医療法人」となり、法人の出資持分を個人資産として引き出すことはできません。
現在、新たに設立できる医療法人は「持分なし社団医療法人」に限定されており、出資者が解散時に資産を受け取れない制度になっています。これは営利性を排除するための仕組みであり、公益性の高い医療事業の性質を反映した制度設計といえます。

財団医療法人

財産の拠出によって設立される形式であり、運営の自由度が低く、設立も非常に稀です。現在ではほとんど利用されていません。

2. クリニックを法人化することで得られる主なメリット

クリニックを個人事業から法人化することで、税制面・経営面・承継面など、さまざまなメリットを享受できます。そのメリットは単に節税効果にとどまらず、経営の透明性向上や事業の持続可能性確保にも及ぶことが大きな特徴です。ここでは、法人化の代表的なメリットを整理して解説します。

2-1. 法人化による税制上の優遇

個人開業医の場合、所得が増えれば増えるほど高い累進課税(最高45%)が適用されますが、医療法人では法人税(原則23.2%程度)が適用されるため、一定の利益規模に達すると税負担を抑えられる可能性があります。
また、法人化すると経営者本人に「役員報酬」として給与を支給できるため、給与所得控除の適用によって実質的な節税効果が期待できます。

2-2. 役員報酬や退職金の活用

医療法人化により、開設者である医師は法人の「理事長」となり、役員報酬を受け取る形になります。さらに、法人としての制度を利用して退職金制度を導入できるため、長期的な資産形成・税務対策の選択肢が広がります。

役員報酬

損金算入が可能

退職金

退職所得控除が使えるため、個人に比べ税負担が軽減される

2-3. 親族を理事や職員として雇用しやすくなる

個人開業では家族を従業員として雇う場合、専従者給与など税務上の制限が設けられています。一方、医療法人では家族を理事や役員として組織に位置付けやすく、給与支給の柔軟性が高まります。
このため、家族経営を基盤とするクリニックでは、法人化によって経営の安定性と税務上のメリットが同時に得られるケースが多いのが実情です。

2-4. 法人資産と個人資産が明確に分離される

個人開業では、クリニックの資産(建物・医療機器・運転資金など)が開設者個人の名義で保有されることが多く、法人格を持たないゆえに、経営資産と個人資産が事実上混在しやすい構造となっています。
一方、医療法人化すると、クリニックの資産は法人名義で保有・管理されることが制度上義務付けられ、開設者個人の財産とは明確に切り離されます。このことにより、以下のような実務的なメリットが生まれます。

財務管理の透明性が高まる

資金の流れが法人の通帳・会計帳簿上で完結するため、収支の可視化がしやすく、外部からの説明責任にも対応しやすくなります。これは、税務調査や融資審査の場面でも有利に働きます。

法人と取引することで金融機関等の評価基準が明確になる

個人と法人では、融資の審査基準が異なるのが一般的です。法人化により、決算書に基づいた与信判断が可能となるため、金融機関との関係性が制度的に安定しやすくなり、社会的信用の裏付けにもつながります。

2-6. 医療法人化による承継・M&Aの選択肢が広がる

個人開業の場合、開設者が死亡すると診療所は廃止となります。これに対し、医療法人は法人そのものが存続するため、後継者へのスムーズな承継が可能です。
さらに、近年はクリニックのM&A(第三者承継)も増えており、法人格を持つことで第三者への承継や統合がしやすくなるというメリットもあります。これにより、医師本人がリタイアする際の選択肢が広がります。

3. クリニックを法人化することのデメリットや制限

クリニックの法人化には多くのメリットがありますが、一方で、制度的・実務的に注意すべき制限やデメリットも存在します。法人化の検討に際しては、こうした点を正しく理解し、デメリットを上回るメリットがあるかどうかを慎重に見極めることが重要です。

3-1. 医療法人は利益を分配できない(非営利性の原則)

医療法人は非営利法人であり、利益を社員・理事・出資者に分配することはできません(医療法第54条)。
たとえば、株式会社のように剰余金を株主に配当することは認められておらず、法人の利益はすべて、医療法人の資産として内部に留保されるか、事業に再投資されることになります。
このため、

  • 法人利益を役員報酬として過大に設定すること
  • 家族理事に対して不相当に高い報酬を支給すること

などは、税務調査や厚生局の指導の対象となる可能性があり、慎重な運用が求められます。

3-2. 医療法人の財産は出資者に返還できない(持分なし医療法人)

平成19年の制度改正以降、新たに設立される医療法人は、原則として「持分の定めのない社団医療法人(いわゆる持分なし医療法人)」に限られています。これにより、解散時における残余財産も、出資者や理事には分配されず、国や地方公共団体、公益法人などに帰属することになります。
つまり、個人で資金を拠出して医療法人を設立しても、その拠出分は法人の資産に帰属し、後に払い戻すことはできないというルールです。これにより、医療法人の資産はあくまで公益目的の財産として維持されることが制度的に担保されています。

3-3. 設立における制度的・時期的ハードル

医療法人の認可には、定款・財産目録・設立趣意書・役員の適格性証明など、多数の書類を提出し、法令に基づく審査を受ける必要があります。

審査で確認される事項の例
  • 財産・資金計画の適正性(持分なし医療法人に資産をきちんと帰属させているか)
  • 役員(理事・監事)の欠格要件(破産・禁錮刑等)の有無
  • 医療計画・診療体制が法令基準に適合しているか
  • 公益性を損なうおそれのある過大な役員報酬・資金流用計画がないか

こうした要件を満たさない場合、認可が下りない(不認可)可能性があります。また、書類不備や計画内容の問題があれば、修正指導を受けて再提出となり、認可が大幅に遅れることもあります。

また、多くの都道府県では、医療法人設立認可の申請受付が年1〜2回に限られていることが多く、申請期限を逃すと次回受付まで数か月待たなければならない場合がありますので、開業時期についてもある程度の制約がかかることにも留意が必要です。

3-5. 毎年の報告義務と監督体制

医療法人は、毎事業年度ごとに以下のような書類を作成・提出する義務があります(医療法第51条と52条)。

  • 財産目録、貸借対照表、損益計算書
  • 事業報告書、監事監査報告書
  • 理事・監事の報酬等報告書(該当取引がある場合)

これらは都道府県へ提出され、監督・指導の対象となります。記載ミスや不備があった場合には、是正勧告や報告要求がなされることもあります。
したがって、定期的な会計・法務体制の整備が欠かせず、経営者の管理負担は増加する傾向にあります。

3-5. 毎年の報告義務と行政による監督体制が強化される

医療法人化をすることにより、株式会社と同様に法人としての会計処理・決算書類の作成が当然に求められるようになります。
加えて、医療法人は医療法に基づく独自の報告義務が別途課せられており、次のような書類の提出義務があります。

  • 事業報告書(その年度に行った医療活動・施設運営の概要)
  • 計算書類(貸借対照表・損益計算書・財産目録等)
  • 監事監査報告書(監事による会計・業務監査結果)
  • 理事および監事の報酬報告書(該当取引がある場合)
  • 定款変更、役員改選などに関する届出

このように、医療法人化によって株式会社と同等の決算義務に加えて、医療法に基づく外部報告・監督対応が加わることは、法的な義務としても、経営実務としても無視できない負担となります。

4. 法人化に向いているクリニックの特徴とは

4-1. 一定以上の利益・診療報酬収入がある

法人化の大きなメリットの一つが「節税効果」であることから、ある程度の所得規模(目安:年間診療報酬収入で5,000万円〜1億円以上)がある場合には、法人化による節税のインパクトが大きくなります。
個人開業の場合、所得税率は累進課税で最大45%まで上昇しますが、医療法人では法人税率(23.2%程度)で固定され、かつ役員報酬・退職金・法人経費などを活用できるため、課税所得の圧縮と将来への資産移転が可能になります。

4-3. 将来的な事業承継・親族内承継を視野に入れている

個人開業医が亡くなると、診療所は廃止扱いとなるため、親族や後継医師に承継することは原則できません。
一方、医療法人であれば、理事長を交代することで法人自体は存続できるため、後継者へのスムーズな事業承継が可能になります。
特に以下のような状況下では、法人化による承継メリットが比較的あるといえるでしょう。

  • 子どもが医師免許を取得し、将来的に後継予定である
  • 数年後に分院・統合などを含む組織再編を予定している
  • 相続税対策を含めた資産の管理・承継を法人名義で行いたい

4-4. 労務管理や法的責任体制の整備が求められる規模になっている

職員数が増え、複数医師・多職種で構成される体制となった場合、個人事業主では法的・制度的な対応が追いつかなくなるリスクがあります。
医療法人化することで、法令上の組織的枠組みと管理責任の分担が制度的に整備されるため、以下のような点で明確なメリットが生まれます。

  • 職員への社会保険加入の適用(強制適用事業所となる)
  • 医療事故・クレーム対応などにおけるガバナンス強化
  • 離職・労務トラブルに備えた労働条件整備

特に労務リスクが表面化しやすい中堅以上の医療機関においては、法的体制を備えた「法人化」は、リスク管理上も有効な手段です。

5. 法人化しないほうが良いケースとは?

5-1. 診療規模が小さく、節税メリットが限定的な場合

前章で解説した通り、医療法人化の最大の経済的メリットは「節税効果」ですが、これは一定以上の所得規模がある場合に初めて顕著に現れます。
たとえば、以下のようなケースでは、法人化による節税効果は限定的で、手続きコストや管理負担が上回る可能性があります。

  • 年間の純利益が500万円未満で、かつ総収入も5,000万円以下の場合
  • 診療報酬の大半が個人の労働収入に依存している
  • 経費化できる支出が限られており、節税余地が少ない

5-2. 短期での引退・転院などを視野に入れている場合

医療法人化は、中長期的な経営を前提とした制度であり、特に数年単位での引退・移転・事業終了を検討している場合には、慎重な判断が求められます。

直近でのリタイアを検討している場合

医療法人にすることで得られる節税や資産管理のメリット(例:役員報酬設計、退職金制度、事業承継対策など)は、いずれも数年〜数十年単位での経営を前提に設計される制度です。
したがって、数年後にリタイアや閉院を予定している場合には、制度の恩恵を十分に受けられない可能性があります。

開業地からの転出・移転を想定している場合

家庭の事情や生活環境の変化により、数年内に開業地から離れることが想定される場合には、法人化は慎重に検討すべきです。
個人開業医であれば、移転先の診療所を新たに届出・申請することで比較的スムーズに開業地を移すことが可能ですが、医療法人が診療所を移転する場合には、都道府県知事の許可が必要となり、事前協議や時間的制約を受けるため手続が煩雑になります。

5-3. 事業収入をそのまま自由に使いたい場合

個人開業では、診療報酬はすべて開業医個人の所得となり、原則として開設者が自由に管理・使用できます。
一方、医療法人では診療報酬は「法人の収入」として法人名義の口座で管理され、理事長といえども法人資金を自由に引き出すことはできません。
そのため、以下のような価値観を持つ医師にとっては、法人化は柔軟性を失う可能性があります。

  • 収入を即時に生活費や投資などに充てたい
  • 資金繰りや経費の判断を全て自分の裁量で行いたい
  • 法人内に利益を留保しておく必要性を感じない

このような個人単位で自由に経営したい方針の場合、法人化による資金管理上の制約がストレスになることもあります。

医療法人化はあくまで経営戦略の一手段であり、目的ではありません。
明確な理由や中長期的な計画がないまま、法人化を進めてしまうと、後に制度的な制約に不満を感じやすくなりますので、向き・不向きを適切に判断の上で進められてください。

6. クリニックを法人化する手続きの流れ

6-1. 法人化に向けた事前検討

まず、医療法人化の方針を固める前に、以下のような事前検討が必要です。

  • 現在の診療報酬・経費・人件費などをもとに節税効果の有無を試算
  • 家族や従業員との関係性を考慮した役員構成(理事・監事)案の策定
  • 医療法人化後の資金繰り、役員報酬、退職金制度などの経営シミュレーション
  • 定款や寄附行為の草案づくりに向けての法務的助言の取得(弁護士等)

その他、事業承継・分院展開・資産管理など、将来的な展望に基づいて法人化の目的を整理しておくことが重要です。

6-2. 都道府県の申請スケジュールを確認

医療法人の設立認可は、原則として都道府県知事の「許可制」です。
多くの自治体では、年に1~2回程度の申請受付期間(スケジュール)が設けられており、受付時期を逃すと半年〜1年近く設立が遅れる可能性があります。
以下を確認のうえで、法人化のスケジュールを調整しましょう。

  • 都道府県の公表している「医療法人設立認可申請要領」
  • 提出締切日・審査日程・設立予定日
  • 事前協議や相談が必要な場合の対応窓口(医務課等)

6-3. 設立認可に必要な書類の作成

認可申請にあたっては、以下のような書類を整備・作成する必要があります(都道府県により異なる場合あり)。

分類 主な書類内容
基本書類 設立趣意書、定款案、社員名簿、理事・監事予定者の履歴書、誓約書
財務関係 財産目録、設立時貸借対照表、設立資金調達計画書、医療機関収支予算書
診療所関係 開設届、構造設備概要、配置図、登記事項証明書(建物)、賃貸借契約書
その他 各種誓約書、法令順守に関する確認書、医療従事者名簿 等

これらの書類は事業内容の妥当性や公益性を判断する重要な審査資料となりますので、不備が無いように準備が必要です。
必要に応じて、専門家に相談の上で要件に沿って正しく作成をするようにしましょう。

6-4. 許可取得後の設立登記と各種届出

都道府県知事の設立認可を受けた後、医療法人の設立登記を行います。
この登記をもって、医療法人が正式に成立します(法人格取得)。
設立後は、診療報酬請求の手続や、税務署・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの法人開設関連の手続、金融機関・リース会社等の契約名義変更など、法人設立に伴う各種手続きを忘れずに実施することが必要です。
こちらも、自社のみでの手続きが難しい場合は、社労士・税理士などに手続きを依頼するなどで遅滞なく対応を行うようにされてください。

7.FAQ:医療法人化を検討する際によくあるご質問

Q1. 医療法人にすると院長の裁量が減るというのは本当ですか?

A. 一部正しいですが、正確に言うと「制度に基づく透明性が求められるようになる」ということです。
理事会や社員総会といった組織的な意思決定が必要になり、個人開業に比べて「全部を一人で決めて自由に動かす」という経営スタイルは難しくなります。
ただし、実務上は理事長(=院長)主導で進めることが多く、意思決定の実質的な柔軟性は保たれます。

Q2. 医療法人化することで、診療報酬やレセプトの請求方法は変わりますか?

A. はい、変更が必要です。
医療法人化後は、開設者が医師個人から「医療法人」に変わるため、保険診療上の取扱いが変更されます。
これに伴い、厚生局・審査支払機関・保健所・医師会等に対して変更届や再申請が必要になります。レセプト請求を継続するには、切替タイミングや申請漏れに注意しなければなりません。

Q3. 複数の診療科や自費診療も医療法人で運営できますか?

A. はい、可能です。ただし、診療内容によっては追加の手続きや法的配慮が必要になります。
たとえば、美容医療・審美歯科・予防医療・再生医療など、自由診療や自費サービスを主とする診療内容を展開する場合には、医療法・医師法・広告規制・消費者契約法等との適合性を確認する必要があります。
さらに、提供するサービスが医療法人の定款に明記された事業目的と合致していない場合、所轄庁から許可が下りない、あるいは将来的な事業展開に制限がかかるといったリスクもあります。
このようなリスクを回避するためには、法人設立時に将来展開しうる診療内容や事業モデルを見据えた定款設計を行うことが極めて重要です。
適切な目的規定を設けておけば、後から業務範囲を広げる際にも、不要な行政対応や定款変更の手間を抑えることができます。

8. 当事務所によるクリニック法人化支援の強み

当事務所では、弁護士法人・税理士法人・社会保険労務士法人・司法書士法人・行政書士法人をワンストップで擁する体制により、医療法人設立に関わる全てのプロセスを統合的にサポートしています。

8-1. 弁護士による法的視点からの制度設計

  • 定款・寄附行為・役員体制・ガバナンスの設計支援
  • 法人化後の契約関係・使用者責任・内部統制体制の整理
  • 医療法に基づくリスク管理・役員責任・トラブル予防アドバイス
  • 医療法人設立認可申請に向けた事前協議の戦略立案

弁護士ならではの視点から、単なる手続き代行ではなく、「法人としてどのように経営を進めるか」まで踏み込んだ制度設計支援が可能です。

8-2. 税理士による節税戦略と財務設計支援

  • 法人化による税務シミュレーション(所得税 vs 法人税)
  • 役員報酬・退職金設計、所得分散、資金繰り支援
  • 医療法人化後の記帳代行・決算対応・税務申告の継続支援
  • 税務調査・監督対応のアドバイス

特に、節税を目的とした医療法人化の場合でも、実際に節税効果が出る構造かどうかを精緻に試算し、意思決定をサポートします。

8-3. 社会保険労務士による労務体制の整備支援

  • 法人化に伴う社会保険・労働保険の加入手続き
  • スタッフの雇用契約・労務管理体制の整備
  • 労使トラブル防止のための規程設計(就業規則・給与規程等)
  • 理事・従業員への適切な報酬体系づくり

労働トラブルが顕在化する前に、医療法人にふさわしい労務体制を設計することは、安定経営の基盤づくりに直結します。

8-4. 登記・許認可・行政対応まで一貫支援

弁護士法人・司法書士法人・行政書士法人の連携により、次のような実務を一貫して対応できます。

  • 医療法人の設立登記(法務局)
  • 保健所・都道府県への各種届出
  • 賃貸契約・不動産登記に関する名義変更サポート
  • 自費診療や新規事業に伴う各種許認可申請(広告審査、商標登録等)

こうした複雑な実務の窓口を一本化することで、医師が診療に集中できる環境を構築します。

8-5. 法人化後の継続支援もワンストップで対応

当事務所の支援は、「設立したら終わり」ではなく、医療法人化後の以下のような相談にも継続的に対応可能です。

  • 分院展開やM&Aを視野に入れた組織再編・合併手続き
  • 理事交代や相続・承継に伴う内部統制整備
  • 不動産や医療機器のリース・購入に関する契約審査
  • 職員の労務トラブル、解雇・残業代問題への対応
  • 医療法・個人情報保護法・景表法など各種法令対応

特に、医療機関特有の法的・経営的リスクを包括的にカバーできる点は、当事務所の最大の強みです。

当事務所では、「医療法人化するかどうかまだ決めていない」「方向性が定まっていない」という段階でのご相談も歓迎しています。

  • うちのクリニックの規模で法人化するメリットはある?
  • 今すぐでなく、将来的に検討すべきなのか?
  • 法人化しないほうが良いケースに自分が当てはまるかどうか知りたい

クリニックの法人化にご興味をお持ちの先生は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。