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「家族信託」という選択肢

医師の先生は、⾼額な事業⽤資産(診療所⼟地・建物、医療機器)や医療法⼈への貸付⾦・出資持分の取り扱い、ご家族への⽣活資⾦援助といった財産の管理を日常的に行っていらっしゃるかと思います。ところが認知症や急な事故等で院長自身が判断能⼒を失ってしまったら、日常的な診療業務だけでなく預貯金・不動産を含めて財産管理のすべてができなくなってしまうため、必要な支払や設備投資が出来ずに医院経営がストップするリスクがあります。成年後⾒制度を利用したとしても、後見人が動かせる財産については裁判所監督下で使途が限定され、裁判所が許可した範囲でしか財産の処分ができないため、投資や相続税対策を行うのはほぼ不可能です。

そこで注⽬されるのが、家族信託(⺠事信託)です。委託者(院⻑)が信託契約で財産管理を家族(受託者)に任せ、受益者として収益を享受し続ける仕組みのため、万が一の場合でも財産の凍結を回避しつつ、将来の承継者へ段階的に経営権とキャッシュフローを移せます。また、家族信託は相続対策としても有効で、信託財産は将来相続が発生した際の遺産分割協議の対象外になるため、遺留分トラブルの火種を最小化できる点も医業承継に適しています。

家族信託設計の仕方

家族信託を設計するうえでは、「委託者(財産を預ける人)」「受託者(財産を管理する人)」「受益者(預けられた財産から利益を受け取る人)」の三者を誰に設定するか、それぞれの主な権限をどこまで設定するかという点を決める必要があります。

この場合、受託者・受益者については、最初は院長→その次に後継者/配偶者など、権限を一次→二次と移していくような組み方も可能です。
「誰を二次にするか」は生活保障・税負担・経営コントロールの3要素のバランスを見て決めます。例えば、受益者を例にあげると、院長が一次受益者、配偶者を二次受益者にすると配偶者の生活費確保がしやすくなりますし、早期に経営収益を後継予定の子に集約したい場合は子を二次受益者に据える方法もあります。
また、受託者についても、最初は現院長→次に後継予定の子へ移すというような設定の仕方が可能です。
いずれも、「どの段階で(何を契機として)一次→二次に交代するのか」というのを信託契約の中で定める必要があります。

この辺りは、院長の希望や家族構成、資産規模・資産内容、想定している事業承継方法、将来的な税負担シミュレーションなどを総合的に加味したうえで、信託によって実現したいニーズを満たす形で信託契約を個別に設計することが重要です。

家族信託に関するご相談はNexill&Partnersへ

当事務所では、相続案件に特化した弁護士を中心に、税務面のシミュレーションも含めた家族信託設計をご提案しております。
グループ内に税理士法人・司法書士法人も併設しておりますので、実際の信託登記まで一貫してご対応が可能です。

相続対策だけでなく、段階的な事業承継や財産管理の観点からの家族信託組成をお考えの先生は、まずは一度ご相談ください。