企業の違法残業問題が相次ぐなか,新入社員の過労自殺に端を発した電通事件の捜査を担い,存在が注目されているのが厚生労働省の「過重労働撲滅特別対策班(かとく)」だ。労働基準監督官は専門職の国家公務員で全国に約3200人いる。長時間労働や残業代の未払いなど様々な労働問題を扱うほか,労働基準法に基づいて企業に抜き打ちで立ち入り調査も行う。社員の出勤簿や入退社記録,パソコンのログイン歴,メールなどを徹底的に分析する。退社したはずの社員の文書ファイルが更新されているのを発見し,違法残業が裏付けられたこともある。労働基準監督署は一般的に,企業に対して行政指導という位置づけの「是正勧告」を出す。 しかし,何度も是正勧告を受けたり過労死が起きたりしても労務環境を改善しない大企業もある。そんな悪質なケースは過重労働撲滅特別対策班(かとく)の出番となる。
かとくは2015年4月,東京と大阪の労働局に設置され,大企業の本社が主なターゲットだ。PC分析が多くなるため,メンバーはITに詳しいベテランの監督官で構成。これまで電通のほか,旅行大手のエイチ・アイ・エス,靴専門店大手のエービーシー・マート,ディスカウント大手のドン・キホーテなどを労働基準法違反の疑いで書類送検している。
「かとく」は大企業の本社が対象ですが,違法残業問題が話題になっている今も,全国の多くの企業で違法残業の慣行が残っています。厚労省によると,2016年度に全国の労基署が立ち入り調査した2万3915事業所のうち,43%で違法残業問題が見つかり,是正勧告がなされました。企業は,労働者の労働時間を適切に管理し,残業時間に対しては割増賃金を支払わなければなりません。
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