厚生労働省は,8月9日,労働基準監督署の是正指導を受けて,2016年度に支払われた未払い残業代が,127億円だったことを発表した。前年度と比較すると,27%増加していたようである。長期にわたって,残業代を支払っていない事業が相次いで発覚したことが,金額の増加に繋がったものと見られる。今回の集計は,労基署の是正指導後に支払われた合計100万円以上の割増賃金を集計したものである。労基署が監督指導した企業数は,1349社に上る。また,割増賃金支払いの平均額は1社あたり943万円であり,従業員1人あたりで換算すると,13万円であった。
労働基準法第37条では,使用者が労働者に残業をさせることができる場合において,労働時間が法定労働時間を超えた場合及び法定休日における労働が発生した場合に,使用者は労働者に対して,労基法が定める基準に基づき,割増賃金を支払う義務があります。そして,未払残業代が発生した場合,労働者は,実際に発生した残業代のうち,過去2年分までの未払い残業代を請求することができます(労働基準法第115条)。しかしながら,多くの企業特に中小企業では,従業員の勤務管理が杜撰であったりと,従業員の残業時間を正確に把握していないため,割増賃金を支払っていないのが現状です。そして,このような企業では,残業代の未払いが恒常化しているため,過去2年分の未払い残業代を請求された場合や,労基署の指導が入った場合には,企業によっては,数千万円の未払い残業代を支払わざるを得なくなります。したがって,企業では,労働者の勤務時間を適正に把握するシステムを構築する必要があります。
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