妊娠した日本航空の客室乗務員の女性が,地上勤務の希望に反して休職させられたのは,男女雇用機会均等法に違反する「マタニティーハラスメント」だとして,休職の無効確認を求めた訴訟は6月28日,東京地方裁判所で和解が成立した。希望すれば,原則全員が出産前に地上勤務に就けることが和解条項に盛り込まれた。
日本航空では,妊娠が確認されると業務ができなくなるため,1980年から本人が希望すれば地上勤務を選択することができるようになった。しかしながら,2008年,業績悪化を受け,「会社が認めた場合」との条件が付いた。女性側によると,妊娠して休職する日本航空客室乗務員は年間200~300人いる一方,地上勤務できるのは年9人に限られていた。 女性が2015年に提訴した後は,希望者全員が地上勤務に就ける運用となっている。今回の和解成立について,日本航空広報部は,「先進的な制度が和解で確認された。今後も率先させて充実させたい。」とのコメントを出している。
職制度とは,就業規則・労働協約等の根拠に基づき,労働契約を存続させつつ労働義務を一時消滅させる制度です。この点,就業規則に休職事由が定められていることが一般的ですが,当該休職事由の定め自体に合理性が必要であることに加え,実際に使用者が労働者に対して休職命令を発するに際しても,合理性が必要となります。
今回は,地上勤務の希望に反する休職命令が「マタニティーハラスメント」に当たり,妊娠や出産をきっかけとして不利益な扱いをすることを禁止する男女雇用機会均等法に反するものとして,その合理性が争われたものと考えられます。
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