ヤマトホールディングスは6月21日,従業員への未払い残業代が230億円と,従来の想定より40億円増えると発表した。従業員の勤務実態を調べたところ,残業代の支払い対象が4万7000人から更に1万2000人程広がったためである。上記残業代は,7月から支払いを始め,追加の40億円は2018年3月期に計上する見通しである。なお,230億円のうち190億円については,未払いだった2年分の残業代として2017年3月期に計上済みである。4月28日に決算を発表して以降も,ヤマトホールディングスで実態を調べた結果,対象者が拡大したこと及び既に対象となっている従業員でも残業時間が当初の申し出より長かった人がいたため,未払い残業代が増加した。 今回増加した40億円は前期決算をさかのぼって修正するのでははく,今期に費用として計上する見込みである。
労働基準法第32条及び第37条により,法定労働時間(一日8時間,週40時間)を超える労働時間は時間外労働として扱われ,使用者には割増賃金の支払い義務が生じます。もっとも,「サービス残業」という言葉をよく耳にするように,使用者が労働者に対し,時間外労働に対する正確な割増賃金を支払っていない場合が間々見受けられます。
しかし,使用者の上記行為は,明らかに労働基準法違反であり,残業代支払請求権の消滅時効は2年間ですので,ヤマトホールディングスのように従業員数の数が多数に上る程,未払い残業代の存在は企業の多大なリスクとなります。したがって,企業としては,未払い残業代が発生しないよう,労働者の労働時間を正確に管理し,これに基づき賃金を算定することが求められます。
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