皆さん、こんにちは。
今回は、司法試験に関する注目すべき変化についてお話ししたいと思います。
最近の報道によると、ついに司法試験がパソコンで受験可能になるとのことです。
2026年からの導入が予定されており、これにより受験者は従来の手書きに代わり、キーボードを駆使して試験に臨むことになります。
しかし、この変化には様々な懸念点や議論があります。
そこで今回は、新たな受験形態に伴うメリットや課題について考えていきましょう。
(とはいっても、ニュースを見た私個人の主観的文章でしかないので、軽く読んでもらえると助かります。。。)
さっそく詳しく見ていきましょう!
1.司法試験がパソコンで受験できるようになる!
司法試験がパソコンで受験できるようになるそうです。
2026年から導入される予定です。
受験は2026年の7月から開始されると思われます。
これまでは筆記試験であり、最大で64ページ、およそ4万字の論文試験がありました。
実際にそれくらい書かなければならなかったと思います。
さて、この法務省の制度変更、今のロースクール生は喜ぶんですかね?困るんですかね?
2.従来の司法試験は?
この司法試験の課題の一つは、文字を書く速度と疲労です。
手の筋肉が疲れ、筆圧が下がってしまいます。
その問題に対処するため、試験の半年前くらいから、筆圧があまり必要ない万年筆で文字を書く練習をしていました。
私が司法試験を受けたのは、もう12年ほど前の話ですので、かなり懐かしい話ですが、時代が変わったなとしみじみ思います。
良い変化だと思います。
次に、答案の印象には読みやすさもかなり影響すると思います。
司法試験の点数の内訳ははっきりとはわかっていませんが、読みやすさは重要な要素だと思います。
膨大なページ数や文字数の答案を読むときには、読みやすさは非常に重要ですし、読みやすさだけでなく論理構造も重要です。
読みやすくて、頭に入ってきて最初から最後まで一気に読めるような論理構造になっていると、点数にも影響すると思います。
その意味で、文字の綺麗さや文字を書くスピードなどに左右されないパソコンは、良い決断だと思います。
裁判所がIT裁判を導入し始めている現状では、試験だけが手書きというのはおかしな話で、当然の変更だと思います。
3.パソコン受験(CBT方式)の懸念点
今回はCBT方式というものが導入されるそうです。
CBT方式はコンピュータを利用して実施する試験方式で、他の民間試験や国家試験でもよく使われています。
私も生命保険の募集人資格試験などで、会場に行ってパソコンで受けました。
ただ、キーボードには注意が必要です。
ノートパソコン用のキーボードやデスクトップ用のキーボードなど、さまざまなタイプがありますので、試験で使われるタイプに慣れるためには、そのキーボードを使って答案の練習をしたり、日常的に使って慣れる必要があるでしょう。
また、答案構成も課題の一つです。
司法試験では、1科目あたり8ページ(8枚)の用紙が与えられ、書き始めますが、実際にそれだけの分量を書く必要があります。
問題を考え、最初から最後までの論理構造を決め、しっかりと構成を作り、そこに基づいて一気に書き始めることが本来のやり方です。
しかし、答案構成を考えずに書き始めて途中で収拾がつかなくなる人も多いものです。
パソコンだと消去が簡単ですし、とりあえず書き始めることができるため、構成を重視しないで書かれる答案が増えるのではないかと思います。
また、文章量もわからなくなってしまうかもしれません。
64枚で4万字なので、その8分の1で1科目あたり5000字ほどになります。
したがって、5000字ほどをワードで書こうと思うと、5〜6ページになるでしょう。
集中して書けば、一気に書ける量です。
しかし、構成を考えずに一気に書き始めると、分量が無駄に多くなる可能性があります。
必要最低限の答案で要件事実に基づいているものが少なくなるかもしれません。
そこは実力の差が出るポイントだと思います。
手書きであれば修正ができないため、慎重に構成を考えて練り込むことが防波堤となっていましたが、それがなくなると少し心配ですね。
しかし、いずれにせよ、時代の流れに合った良い決断だと思います。
他の国家試験と比較すると文字数が以上に多く、受験日数も長いため、司法試験の受験経験がない人に話すと本当に驚かれるものです。
そのため、この変更は必要な措置だったと思います。
ただし、問題は実務に沿っているかという点です。
報道によると、法務省は実務に沿ってパソコンを使うべきだという結論を出しているようですが、キーボードを打つ必要があるかという点が問われます。
私も現在、このブログをキーボードで打って書いているのではありません。
音声入力で書いています。
最後に文字を読み返し、修正することはありますが、日々の作業のうち、約80%は音声入力です。
移動中にスマートフォンに向かって話す時間の方が圧倒的に多いです。
そうなると、キーボードを打つということ自体が実務に沿っているとは言えないのかもしれません。
とは言え、最終的に大切なのは、適切に答案を書けることであり、パソコンであろうと手書きであろうと、採点者にとって読みやすく提出できれば良いと思います。
手書きかパソコンかの選択肢があると良いのですが、若者の中にはキーボードを打つことが苦手な人も多いでしょう。
最近は、キーボード入力を日常で使わないので、スマートフォンのフリック入力の方が圧倒的に速いという人が多いです。
普段からパソコンではなくiPadでフリック入力を使って文章を書いている若者も多いはずです。
そうなると、キーボードを打つこと自体が日常的ではないため、少し心配ですね。
その他にも、2026年からはオンライン出願や受験料のキャッシュレス納付が始まるそうです。
これまでは願書をしっかり書いて収入印紙を貼って提出する必要がありましたが、これは非常に良い変化だと思います。
事務処理が紙媒体だと大変ですし、今回の変更は良いことだと思います。
4.まとめ
今回のブログはあまり重要な内容ではありませんでしたが、ニュースを見て懐かしく思い、少し書いてみました。
司法試験の受験者数も減ってきており、ロースクールも減少していますが、弁護士、裁判官、検察官といった職業は、一般的な職業とは異なる社会の裏側や社会の構造、ビジネスの構造など、様々な要素を垣間見ることができる職業です。
人気が以前ほどではありませんが、それでも面白さがあると思います。
私自身も自由業という点で性に合っていますし、法曹は人の人生に直接関わる仕事であり、人を幸せにすることも不幸にすることもできる仕事です。
人の人生や依頼者の人生が私たちの一挙手一投足で変わってしまうため、非常に重い責任がありますが、それだけに社会に貢献できる職業だと思います。
こんなニュースでも興味を持ってこの業界に進もうとする人が増えることを願っています。
当事務所では、法曹、ロースクール生、まだロースクールに入っていない人など、どんな人でも事務所見学に対応しています。
当事務所が情報を発信することが弁護士業界に刺激を与え、良い方向に進む一助となれれば幸いです。
代表弁護士/社会保険労務士/税理士
菰田 泰隆 YASUTAKA KOMODA
KOMODA LAW OFFICE代表。
「クライアントの人生を豊かに」を理念に、ワンストップリーガルサービスを展開。