たとえば、妻が、夫の知らない間に借金をつくってきた場合、夫にはこれを返済する義務があるのでしょうか。仮に夫にも返済義務があるとなると、これを返済できなかった場合には、夫の給与や夫名義の不動産が、強制執行の対象となってしまいます。
民法は、この点について、原則としては「夫婦別産制」が妥当する結果、夫は妻の借金を返済する義務はないとします。ただし、例外的に、夫婦の「日常家事債務」については、夫婦は連帯責任となる、とされますので、夫も返済義務を負います。ここでいう「日常家事債務」とは、「夫婦が日常生活を営むうえで必要な消費行動をするにあたって生じた債務」のことです。そのような消費行動のために生じた借金であれば、夫婦の連帯責任になる、というわけです。
例を挙げると、妻がギャンブルやブランド品の購入のためにした借金は連帯責任にはならないけれど、日用品の購入や家具・家電の購入のためにした借金は連帯責任となる、というわけです。
なお、妻の借金にあたって夫が“連帯保証人”となっている場合には、上記の議論とは無関係に、当然に夫も返済義務を負うことになります。
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