弁当店「ほっともっと」の店長だった大分市の男性(39歳)が,権限や裁量のない「名ばかり管理職」なのに残業代が支払われなかったとして,運営会社「プレナス」に未払い賃料など約2,000万円の支払いを求めた訴訟の判決で大分地裁は3月30日,約1,000万円を支払うよう命じた。
以前の記事でもお話ししたことがありますが,労働基準法41条により,管理監督者は,労働時間・休憩・休日の法規制の適用が除外されています。すなわち,割増賃金の支払義務が免除されるため,人件費を抑制するため「名ばかり管理職」として働かされていました。なお,管理監督者であっても,深夜割増は行わなくてはなりません。
今回の事件において,裁判所は,「男性は経営に関わる重要な責任や権限を与えられていない」と指摘しました。裁判所は,管理監督者について相当に厳しいハードルを設けていましたが,つい最近でも同社に対して,残業代の支払いを命じる判決が出るなど管理監督者に該当しないとする傾向が強まってきているように感じます。
管理監督者制度を維持・導入したい企業は,必ず専門家と協議の上で自社の労務管理体制を構築するようにしてください。
管理監督者制度を無理に導入することで,余計に従業員の不満を膨らませ,コストが大きくなる企業が多数見受けられます。必ず専門家と相談しましょう。
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