厚生労働省は雇用保険の適用を受ける人の範囲を広げることを内容とする改正案を来年にも国会に提出する。今は1つの会社で週20時間以上働く人を対象としているが,複数の会社に勤務していても失業手当をもらえるようにする。兼業や副業で仕事を掛け持ちする労働者の安全網を手厚くして,柔軟な働き方を後押しするのである。
現在,雇用保険に入るには,同じ会社で週20日以上働くとともに,31日以上の期間にわたって仕事をすることが条件となっています。そのため,兼業で働いている人がA社で週10時間,B社で週10時間働いたとしても,雇用保険の対象とはなりません。
しかし,兼業や副業というものが働き方の選択肢として選ばれるようになってくるにつれ,このような制度は現状に合わなくなってきていました。そのため,厚生労働省は,複数の企業に勤めていても,合計の労働時間が週20時間を超えていれば,雇用保険に入れるようにするというのです。
このような制度設計をすることで安心して複数の仕事を掛け持ちでき,労働者の生活が安定すると見ているようです。しかし,こういった制度の存在によって非正規雇用者が増加しかえって生活が安定しなくなる恐れがあるのではないか,複数の企業にわたる労働時間を正確に把握することが可能なのかといった問題もあるため,まだまだ検討が必要だと感じます。
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