東京都渋谷区のマンションで同居していた知人女性の長女(当時生後3か月)の首を絞めて死なせたとして,傷害致死罪に問われていた元少女(21)の裁判員裁判(東京地方裁判所)において、裁判長は,「脱水や低栄養と、うつぶせ寝による鼻と口のふさがりが重なって死亡した可能性が拭えない」と述べ,無罪判決を言い渡した。
昨今,松本潤さん主演のドラマ「99.9」が公開されたこともあって,広く世間に無罪判決を獲得することのむずかしさが伝わったものと思います。こんなにも高確率の有罪率が維持されている理由は,無罪の可能性が高い事件はそもそも起訴しないという運用をしている検察官の優秀さによるものも大きいとは思いますが,やはり「起訴されたのだから有罪なのではないか」という先入観によるものもあると感じます。
一般の方には受け入れにくい感覚とは思うのですが,本来,刑事事件においては「疑わしきは被告人の利益に」という考え方があり,「もしかしたら犯罪をしてないかもしれない」と感じたら無罪にすべきであるとされています。しかし,やはり「犯罪をしているかもしれない」と感じてしまうと無罪であるとの判断をするというのは難しいものです。
今回の判決はこういった法曹としての基本にして難しい考え方をしっかりと踏まえ判決をされた裁判長を含む裁判官及び裁判員のみなさんと,裁判官たちに対して「無罪なのではないか」と感じさせた弁護士の努力に敬意を表したいと思います。刑事事件においてお困りの方は一度ご相談くださいませ。
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