法務省は,株主総会で株主側から議案を提案する「株主提案権」の濫用的行使を防止するため,新たな措置の具体的な検討に入った。金田勝年法相が9日,法制審議会に会社法改正を諮問した。1人の株主が大量の提案を出し,企業に過度の負担をかける事例もあり,回数制限などを検討。
現在の会社法において株主提案権を行使するためには,①6か月前より引き続き総株主の議決権の100分の1以上または300個以上の議決権を有する株主であること,②総会日の8週間前までに行使されることが必要とされています。
その内容や回数に限定がされていないのは,株主提案を通じて経営陣と積極的な議論がなされることを期待してのことですが,残念ながら無意味な提案がなされることもあります。野村証券ホールディングスにおいては,12年,1人の株主から「社名を野菜ホールディングスに変更する」などの株主提案を100件受けたことがあります。そういった問題があるため,企業側から改正を求める声が上がるのは致し方ないことといえるでしょう。
しかし,株主と経営陣との活発な議論を図ろうというもともとの制度にも一定の合理性があるのは間違いがないところだと思います。そのため,どういった場合に株主提案を制限するかという問題については慎重に議論を進めるべきであると考えられます。
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