JASRAC(日本音楽著作権協会)は,2017年2月2日,ピアノなどの音楽教室から著作権の使用料を徴収する方針を明らかにしました。楽器の練習や指導で楽曲を演奏しており,「演奏権」にあたると判断したということになります。
著作権法においては,「演奏権」というものが認められています。これは,「『公衆』に直接見せ又は聞かせることを目的として」演奏をした場合に著作権者の許可が必要であるとするものです。「公衆」の意義について,裁判所は,社交ダンス教室におけるダンス曲の演奏が「公衆」に対するものかが争われた事案において,「公衆」に対するものであると判断しています(名古屋高判平成16年3月4日)。JASRACは,このような裁判例を踏まえて,音楽教室での演奏が「公衆」に対するものであると考えたものと思われます。
しかし,本当にすべての音楽教室での演奏が「公衆」に対するものといえるかについては判断が難しいと考えられます。営業形態によっては,「公衆」に対するものではないとされるべき音楽教室があってもおかしくはありません。
また,音楽教室によっては,著作権の切れたクラシックなどを使用していることもあり,一律の使用料を徴収するというのも不公平さがぬぐえないものになりそうです。
JASRACは,この方針通りに進めるのであれば,もっと議論を尽くすべきでしょう。
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