一般的な贈与と同様、民法903条によって規定される特別受益に該当する贈与についても、遺留分減殺請求の対象となります。
特別受益については、たとえ1年以上前の贈与のように、1030条の規定に当てはまらないものも、特別受益に該当すれば、原則として全て遺留分減殺請求の対象となります。
もっとも、全てとはいっても、さすがに何十年も前の特別受益を返せとは言えないので、例外が認められています。
すなわち、相続開始の時点よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続などの関係人の個人事情の変化を考慮して、減殺請求をすると相手に酷であると認められる場合には、例外として、減殺請求の対象とならないと裁判所は判断しています。
なお、特別受益とされた物の価値に相当する金額は、特別受益の規定に従って、相続開始時点の時価となります。
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