遺留分減殺請求は、遺留分を侵害する遺贈や贈与を受けた者、およびその相続人などの包括承継人を相手方として行使することができます(1031条)。
また、1031条には書いてありませんが、現在は、遺贈・贈与だけでなく、遺言による相続分の指定(902条)も遺贈に近いものとして減殺の対象になると考えられているため、相続分の指定を受けた相続人に対しても行使することができます。
もし、遺贈・贈与を受けた者が、目的物を第三者に売ったりあげたりしていた場合には、目的物の代わりに、目的物の価値に相当する金額を請求することができます(1040条)。
また、その第三者が、遺留分を侵害することをわかっていて受け取っていた場合は、その第三者に対しても減殺請求ができることになっています。
遺留分減殺請求に対しては目的物の返還が原則ですが、相当金額の金銭で支払うことも認められています(1041条)。
建物の贈与を受けた者が、すでにそこに住んでいるといった場合に、建物を返すことは自分の生活上困難なので、その価値相当の金額の金銭を支払うことで、建物を返還しなくてもよくなるという制度です。
どちらにせよ、侵害された遺留分の金額は確保されるので、これが認められています。
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