さて、では、今回から寄与分がある場合、どのような処理を行って具体的相続分を算定するかについてお話していきます。
まず、寄与分は共に相続する相続人の間の協議で定めます。
協議が調わない時や協議することができない時は、寄与をした者が申し立てて、家庭裁判所の調停や審判で定められます(904条の2、第2項)。
寄与分の算定にあたっては、寄与の時期や、寄与の方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、これを決めます。
単に金銭を出費したというのであれば、その金額を算定するのは簡単ですが、ほとんどの寄与は、家業の手伝いなどの労働や療養看護といった、数字に表れない貢献であることが多いです。
そのため、これといった決め方を定めるのではなく、寄与や相続に関するすべての事情を考慮して、なるべく公平となるように決めることとしたのです。
なお、当然といえば当然ですが、寄与分の額は、相続財産の全額から遺贈の額を引いたものを超えることはできません。
今ある相続財産以上の額を与えることはできないからです。
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