前回、寄与分として認められるためには、「特別の」寄与が必要であるとお話し致しました。ここで問題となることが多いのは、相続人のうちの一人が被相続人の生前、ずっと介護をしていたというパターンです。
3人兄弟の家庭で、寝たきりのお母さんと長男家族が同居し、ずっと面倒を見て来たという事案において、長男は通常、寄与分を主張します。自分はずっと面倒を見続けて来て、他の兄弟は面倒を見ていないのですから、それなりの労力がかかっており、当然の主張でしょう。
しかし、ここで長男の介護が「特別の」介護と言えるかどうかが問題になります。
もちろん、同居しながら、ヘルパーさんも使わずに全ての面倒を見て来たのであれば、寄与分が認められる傾向にあるでしょうが、日々デイサービスに行き、具体的に面倒を見ていたこととしては、食事の用意程度という状況では、寄与分が認められることは厳しいと思われます。
このように、介護に関しては、本人の感じた大変さと、裁判所が寄与分と認めてくれるものに乖離が見られますので、寄与分と評価してもらうことは容易ではありません。
寄与分を主張されたい相続人の方は、絶対に弁護士を依頼して、法律論を固める必要があるでしょう。
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