遺産分割において、相続開始後遺産分割までの間に発生した相続財産からの果実を遺産分割の対象とすべきかという問題があります。
法律上の「果実」とは、物から生じる利益・収益のことをいいます。この法律上の果実には、天然果実と法定果実があります。
天然果実とは、物の用法に従い収取する産出物のことをいいます(民法88条1項)。例えば、木にリンゴがなった、飼い猫に子供が生まれた、という場合、このリンゴ、子供、などを指します。そして、法定果実とは,物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物のことをいいます(同条2項)。例えば、不動産を賃貸したときにとる地代や家賃、借金の利息などです。
相続開始後遺産分割までの間に生じた果実は、相続財産とは別個の財産であり、共同相続人が相続分に応じて個別に取得する財産であると解されています。さらに、この共同相続人が個別に取得した相続財産からの果実は、遺産分割の影響を受けないと解されています。
つまり、相続開始後遺産分割までの間に生じた果実は、遺産分割の対象とはならないということです。
したがって、相続開始後遺産分割までの間に生じた果実は、各共同相続人がそれぞれの法定相続分に応じて個別に取得することになります。
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