債務不履行(民法415条)および不法行為(民法709条等)による責任追及が可能となる場合であっても、被害者の性質によって損害を過大となった場合等には、民法722条により、被害者の過失として裁判所がこれを考慮して、損害賠償の額が決定されることとなります。
そこで、いじめにより自殺した場合に、被害者がそもそも内気な性格であったときや、ネガティブな性格の持ち主であったときに、被害者の性格を過失内容とする過失相殺が認められないかが問題となります。
判例では、「ある業務に従事する特定の労働者の性格が同種の業務に従事する労働者の個生の多様さとして通常想定される範囲を外れるものでない限り、その性格及びこれに基づく業務遂行の態様等を、審院的要因として斟酌することはできない」と電通事件判決が示しており、このような事案において過失相殺(民法722条)は認められにくいものと考えられています。
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