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嫡出推定について

2016.04.19

婚姻している母から生まれた子は、嫡出子とよばれ、母の夫が、子の父親であると推定されます。そしてこの推定を、嫡出推定と呼びます。つまり、結婚をしている母親が生む子は、その夫の子であろうという推定がはたらいていることになります。

とすれば、婚姻関係の有無のみによって嫡出子か非嫡出子かが区別されることになるといえそうですが、これでは不都合も生じてきます。

たとえば、母親が誰かと婚姻関係にある状況で出産したとしても、それが婚姻した日から1ヶ月がたった頃であれば、必ずしも現在の夫が生まれた子の父親であるとは限りません。このような場合にも嫡出推定が及ぶとすると、子は、本当の父ではない者の子として戸籍に登録されることになり、実体に合っていません。また、母親が離婚をした日から1ヶ月がたった頃に出産した場合、前夫の子である可能性が高いといえるにも関わらず、その子には父親の推定が及ばないとするのは、子にとって良いことではありません。

このような不都合を回避するため、法は、「婚姻成立の日から200日後又は婚姻の解消もしくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐妊したものと推定する」というルールを設けています。

したがって、通常は母親の婚姻関係の有無によって、子の父親についての推定が及ぶか否かが決まりますが、例外的に、婚姻から日にちが経っていない場合には婚姻関係はあるにもかかわらず嫡出推定を否定し、逆に、離婚後すぐになされた出産については、婚姻関係はないけれど嫡出推定が及ぶこととなるのです。

 

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