今日は、遺産分割とは何なのか、どのような流れで進んで行くのかについて、お話ししたいと思います。
まず、遺産分割とは、被相続人の遺産を、相続人の間でどのように分けるかを決める手続です。
よって、遺言があるときは遺言に沿って分けられるため、原則として遺産分割は行われません。
(遺言があっても異なる分け方を遺産分割ですることもできます。)
つまり、遺産分割とは、遺言がなければ必ず行わなくてはならない手続です。
これは
①遺産分割協議
②遺産分割調停
③遺産分割審判
という流れで進んで行きます。
①遺産分割協議とは、当事者同士の話し合いです。
そして、②遺産分割調停もあくまで話し合いですが、裁判所を使った話し合いです。
それでも決まらなければ、③遺産分割審判によって裁判官に分け方を決めてもらうという流れで進みます。
ここで、一点、最大の注意点を
「もめそうなときは、話し合いをする前に弁護士に相談しましょう!!」
大多数の方々は、弁護士費用節約の意味もあり、当事者だけで話し合いをします。そして、もめにもめて、「話し合いがまとまりません」と弁護士へ相談に来ます。
遺産分割とは、相続人の範囲・遺産の範囲・遺産の評価・寄与分や特別受益など、極めて多くの法的知識を要する手続です。
よって、これらの知識を正確に理解した上で、正確な根拠に基づいて正確な数字を出して行かなくては、お互いに納得のできる解決は望めません。
仮にもめていなかったとしても、本当に公平な遺産分割を行うためには、弁護士の法的知識が必要不可欠でしょう。
これらを欠いた状態で話し合いを行い、感情の対立により話がこじれてしまえば、たとえ弁護士が介入しても話し合いをまとめることは極めて困難です。
つまり、当初から弁護士を入れていれば容易に話がまとまったであろう案件が、当事者の話し合いにより感情の対立へと発展し、調停でもまとまらず、最終的には1~2年もかけて遺産分割審判まで行わなくてはならない案件へと変化します。時間がかかるだけではなく、協議のみを弁護士に依頼するよりも、かなり高額な弁護士費用が必要となってしまいます。
このように、遺産分割は、当事者だけで行うと大きなリスクを伴いますので、弁護士に依頼するかどうかは別として、少なくとも相談に行ってアドバイスだけでも受けておかなくては、後悔を残すこととなりかねません。
まずは、現状を整理した上で、弁護士の意見を聞いてから、判断してみることをおススメします。
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