実際に労働者から未払残業代を請求されると、企業はどのようなリスクに直面するのでしょうか。
労働者から未払残業代を請求されると「残業時間の認定」が大きな争点となることが多くあります。一般的にタイムカードや出勤簿・パソコンのログ等の客観的な資料に基づき出勤時間と退勤時間を推定した上で、残業時間の認定を行います。仮に、労働者が必要な仕事を終えた後に私的な事を行いながら残っていた場合も、訴訟の場合、裁判所はタイムカード等の資料を元にして、判断を行うことが多いです。そのため、本来であれば不必要な未払残業代を企業は支払うことになってしまいます。
未払残業代の請求が訴訟上で争いになったリスクとして、裁判所から未払残業代に付加金を加算して支払いを命じられることがあります。付加金の金額については場合によって異なります。キャッシュに余裕のない中小企業おいては、未払残業代+付加金の支払いは、経営を圧迫する大きなリスクとなり得ます。
また、未払残業代請求の消滅時効は2年間と定められています。しかしながら、企業側が悪質な残業隠しを行ったり、労働基準監督から是正勧告を受けたにも関わらず、全く是正しない等の悪質な場合には、企業の不法行為責任が認められる事があります。不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は3年になることから、3年分の未払残業代とそれに加え、付加金の支払いを命じられるリスクがあります。
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