企業にとって従業員を有期契約から無期雇用へ転換するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
まず、新人採用と比較して、既に会社の実務を理解した経験のある社員を手放さずに済む事が挙げられます。労働契約における期間の定めが無くなることで、中長期的に社員の育成が可能となるため、新規社員の採用コストや育成コストを削減することが可能になります。
次に、有期雇用の従業員を正社員や無期雇用に転換を行った場合に、一定の受給要件を満たすことで、政府からキャリアアップ助成金を受給することが可能になります。
キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者(いわゆる契約社員等)、短時間労働者(いわゆるパートタイマー)、派遣労働者(いわゆる派遣社員等)といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善などの取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
従業員の雇用を見直す時には、助成金の受給も視野に入れて検討すると良いでしょう。助成金の申請を検討する際、社員の雇用形態の現状を正確に把握しておくと、助成金の申請計画が立てやすくなります。
助成金を申請するためには、細かな要件が定められており、これを満たしていない場合には、受給申請ができなくなりますので、注意が必要です。
以上のように、無期雇用転換によって企業が受けるメリットは種々あります。もっとも、企業が無期雇用転換のメリットを受けるためには、前提として雇用形態に合わせた就業規則を整備し、業務内容や待遇面の範囲について明確に定めることが必要になります。
弁護士や社労士などの専門家にも相談しながら、「無期転換ルール」に対応した労務環境作りを行いましょう。
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