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相続した現金を隠したことで国税局から告発|相続税申告を意図的にやらなかったときのペナルティとは?

2025.11.28

1. 現金を隠して相続税5億円を脱税?報道事件の概要

2025年10月、大阪国税局が相続税法違反の疑いで奈良地検に告発していたことが報道されました。今回の報道では、死亡した母親の遺産として、自宅に保管されていた現金を相続していたにもかかわらず、相続税の申告においてその財産の大部分を隠し、約5億2,300万円を脱税したとされています。

不動産や預金・証券などの登記・記録が残る資産と異なり、現金は物理的な保管が可能で、相続税申告から漏れやすい資産とされています。しかし国税局は、銀行口座の履歴や不動産の取引記録などを通じて、現金の出所や移動を細かく追跡することができます。
母親が生前に不動産の売却益などで現金を得ていたことが判明し、税務当局はどこからこの現金が発生したかを精査したうえで、相続人がその財産を申告から意図的に除外していたと判断したと推測されます。
報道によると、該当の相続人はその後、国税局の指導を受けて修正申告を行い、納税も済ませたとされています。

しかし、悪質な脱税と判断された場合、たとえ修正申告後であっても、税務当局は刑事告発に踏み切ることがあります。今回もまさにそのパターンであり、バレたら払えばそれで済むという考えが通用しないことを示す事例といえるでしょう。

2. 相続財産に現金がある場合のリスクと注意点

2-1. 現金は足がつきにくい?実は税務署が最も注視する資産

現金は、相続財産の中でもっとも申告漏れが多い資産のひとつです。通帳や登記のような可視化された記録がないため、家族の中だけで保管・移動ができてしまい、隠しやすいと誤解されがちです。
しかし実際には、税務署は過去の預金の出入金履歴、土地・建物の売却履歴、贈与記録などから現金の存在を推測し、裏付けをとることができます。特に、現金で多額の資金を移動させている場合は、調査対象として非常にリスクが高くなります。

また、税務署は、以下のような情報をもとに申告されていない現金が無いかを把握・追跡しますので、ばれないだろうという過信は危険だといえます。

・被相続人の口座から死亡直前に大きな現金引き出しがある
・相続人の生活レベルが急に上がっている(高額不動産購入など)
・近隣住民や関係者からの情報提供

3. 相続税を申告しないとどうなるか?

3-1. 無申告加算税・重加算税・延滞税の全体像

相続税の申告を怠ると、以下のような罰則が加えられます。

税目 内容 税率の目安
無申告加算税 期限内に申告しなかった場合 相続税額の最大30%(調査(通知)前に自主的に申告した場合は5%)
重加算税 意図的な隠蔽・虚偽があった場合 相続税額の40%(過去5年以内に相続税で無申告・重加算税が課されていた場合などは、税率50%)
延滞税 納付に遅れがあった場合 相続税額に対して納期限の翌日から2ヶ月以内は年2.4%、2ヶ月超は年8.7%(利率は毎年見直されます)
過少申告加算税 本来より少ない額で申告した場合 追加納付した相続税額の最大15%(調査(通知)前に自主的に修正申告した場合は不適用

これらは本来の相続税に加えて課税されるため、相続税申告を放置すれば支払い額は一気に膨れ上がります。

未申告の状態にある場合は、速やかに税理士に相談の上を行いましょう。

3-3. 悪質と判断されれば刑事告発も

今回の事件のように、脱税額が大きく、かつ意図的な隠蔽があった場合は、税務署が刑事告発に踏み切る可能性があります。
告発されれば、懲役刑や罰金刑の対象になることもあり、社会的信用を大きく失うリスクもあります。現時点で相続税が未申告の状態になっている方は、速やかな対応が必要です。

できるだけ早く税理士に相談の上で、必要な申告手続を行いましょう。
当事務所では、弁護士・税理士による総合的な相続サポートをご提供しており、相続税申告を含めた相続手続全般にご対応可能です。まずはご相談ください。

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